Day38

OFF Cloudy

デンマークの研究事情を、日本人研究者(女性)から聞く。


まずは彼女がどうやって、デンマークで職を得たか?について。
研究所のスタッフの選考は、研究所の外部委員3人によって、
まず書類審査で3名までに絞られる。
#ちなみに、外部委員には必ず1人、女性が含まれる。
さらに、外部委員に選ばれし3名を研究所の、直接関係のないメンバーが面接して決める。

という手順らしい。


日本だと、研究をともにする人がメインになって決めることが多いのだけれど、
デンマークの場合は、教授が「この若手研究者がスタッフに欲しい!」と、
思っても、何の力も持てないらしい。
すなわち、とにかく公正に外部の目から見ても、内部の目から見ても
ふさわしいという人物を選ぶようにできている。
さらには、外部委員3人が選考した意見は、応募者にフィードバックされ、
あなたのどこが足りなかったのか、良かったのかなどすべてオープンにされる。


デンマークも人口が500万人ほどで、海外から研究者はじめ、労働力を
どんどん受け入れてきた背景があり、考え方、手順が、先進的な印象を持った。
ちなみに、人口が少ないと女性も働かないと国がなりたたたないため、
女性がパワーを持っている、というのも北欧の特徴。


そして外部委員3人に必ず1人、女性が含まれるのはいいと思うが、
博士課程の学位審査にも、女性審査員を必ず1人含まないといけない、
というルールがあるらしい。学位に性別はかかわってこないだろうに・・・。
「あなたは女性だから、学位をあげません。」みたいな、
状況があったんだろうかと、疑問に思う。
そのおかげで、研究所に着任してまだ1年もたたないのに、
彼女はすでに2人も学位審査を担当したとのこと。
ともあれ、女性の意見を大切にする北欧の文化が反映されているのだと思う。