学部生時代に、物理数学を教えてもらった
田崎秀一先生が亡くなったと聞いた。


にわかには信じられない。
黒板に、すみからすみまで、ビッチリか書かれた式。
それは、ちょっと、移項しただけでも、ちゃんと改行して、
書き直してくれる丁寧な解説の結果だった。
力学演習などで、分けも分からず、急に偏微分の式を持ち出され、
アタフタしていたアホな私(たち?)にとって、
それは、とてもありがたいことだった。


毎週出される宿題と、テスト。
締め切り前の夜中まで、宿題を寮の食堂に集まって、
みんなでなんとか解いていたのも良い思い出だし、
なんだかんだ言って、結構楽しんでいた気がする。
田崎先生がすごく嫌な人だったら、嫌々やっていただろう宿題。
いつも寡黙でポーカーフェイスの田崎先生に、なんとか
コミュニケーション取ってみたくてがんばっていた節もある、笑。
これは必須の授業だったことが最大の要因だけれど。


あと、テストの答案用紙の名前の横に、友人が
「晴れ」と太陽マーク付きで書いたら、そこもわざわざ採点(?)されていて、バツマーク。
「余計なことは書かないように」、とコメント付き。
あれは、結構笑った。完璧主義な田崎先生らしい。


愛妻家で有名だった田崎先生、
物理数学など教えてくれて、ありがとうございました。
私が一人の研究者となって、対等に話す機会がなかったのが残念です。

ご冥福をお祈りします。