Power-law distributions in empirical data
Aaron Clauset, Cosma Rohilla Shalizi, M. E. J. Newman
SIAM Review 51, 661-703 (2009)


ベキ分布のべき指数の見積もり方について、丁寧な解説論文。
さっくり結論は、連続(orで考えてかまわない)の場合は、式(3.1)。
離散の場合で丁寧に考える場合は式(3.7)で行う。
とはいっても、分母の計算に1/2が入るだけなのだけれど。
また、その分布が、ベキ分布か、対数正規分布か、指数分布かどうかを
確認するにはBIC(Bayesian Information Criterion)などもあるが、
比較した結果、Kolmogorov-Smirnov検定を推奨。(Fig.3.4)
べき指数は、基本的に最尤法によって決める。
どこからベキ分布*1を決めるxの下限値も議論される。


Appendixにはベキ分布に従う変数の作り方もあり、この論文1本あれば、
最尤法、尤度比検定、KS検定などなど分かるお得な論文。
実データの解析も単語、地震、email、生物など24の結果の記載あり。


さらに著者らは使ったプログラムも公開している。

*1:分布をP(x)とするとxの小さいところは、ベキ分布にならないことがよくある