How simple rules determine pedestrian behavior and crowd disasters
Mehdi Moussaïd, Dirk Helbing, and Guy Theraulaz

PNAS vol. 108 no. 17 6884-6888 (2011)


歩行者が、目的地に向かって進む人間行動のモデル化。
うりとしては

our approach overcomes limitations of current physics-inspired pair interaction models.
Understanding crowd dynamics through cognitive heuristics is therefore not only crucial for a better preparation of safe mass events. It also clears the way for a more realistic modeling of collective social behaviors,


といったところ。
じゃあ、cognitive heuristics (認知科学的見地に基づく仮説)とは何か?
歩行者は自分の視野に入る情報のみで、歩く方向とスピードを決定している、という仮説だ。

具体的に、視野に入る情報とは、

  • 他人や壁を避けたい (Body collisions)
  • 最短距離で移動したい


という2点に絞り込んでいる。
重要なパラメータとなるのが、進む方角を\alphaとしたときに、最初の衝突が起こるまでの距離f(\alpha)
これは歩行者iに対してすべてのjおよび、壁にあたる場合の中で最小のものが採用さる。
さらに、\alphaが決まると、目的地までの距離d(\alpha)が決まるので、
それを細小にする\alphaが決まる。


上記の簡単なルールで、シミュレーションをし、空間に対して人をどんどん押し込んでいくと、
最後にはほとんど歩行がストップしてしまうというのをモデルと、実データから示している。(Fig.3)
さらに、障害物があった場合、どの部分に人が集まるのかというのもシミュレーションで、示すことができている。(Fig.4)
#ただこれは、壁の効果があるので自明な気もするが・・・。

crowd turbulenceという言葉も使っていた。
Supporting InformationのTableに実データの例が9つ記載されているので、人間の集団現象のサンプル一覧として使えそう。