How people interact in evolving online affiliation networks
L. K. Gallos, D. Rybski, F. Liljeros, S. Havlin, H. A. Makse
arXiv:1111.5534


タイムスタンプ付きの有向ネットワーク成長データ(スウェーデンのオンラインコミュニティ)を用いて,どういう場合にリンクができやすいかを分類した,実データ解析の論文.モデル提示はなし.


リンクができるパターンを以下の5つに分類した.

  1. Exchange (相互リンク)
  2. Balance(三角形が閉じやすい)
  3. Distant(離れたところに突如できるリンク)
  4. Collective action(注目を集める人にリンク=preferential)
  5. Structural Hole(リンクのないクラスター同士をつなぐリンク)


Exchangeはsnap shotのデータからでも観測可能だが,その他はタイムスタンプがないと分からない.そう言う点で,まず新規性.
最も数が多いのはDistantリンクであるとのこと.
性別,年齢別,activity(outgoingリンクで分類)などでもこれらの分類を比較.
女性はExchangeが多いのに対して,男性はCollective actionが多かったとのこと.
年齢別では若い女性がExchangeが多く,(義理堅い?なんとなく分かる気が.)
逆にBalanceは若者が圧倒的に少ない.(「大人の付き合い」がないってことか?)
その他は年齢によらず一定だった.
axtivityではどうやら10人を指名するところに分岐点があるようで,
10人を超えたあたりからBalanceリンクが増え始め,逆にExchangeが減るとか.


モデル提示はないものの,タイムスタンプ付きのリンクデータを使って,
なぜ,リンクができるのかに迫った面白さがある.
これまでだと,モデル提示でpreferentialとか言っていたのを,
実測してどのくらいできやすいか,他にどんなパターンがあるのかを
(motifのでき方を直接観測するイメージ)分類して報告,さらに
人のへテロ性もちゃんと考慮に入れているので,ぜひ社会心理学とか
そちらの学者さんともコラボして,議論を深めて欲しいと思った.