Day67

ひたすらパッキング。
寒さに負けて、こちらでいろいろ購入したのでスーツケースがパンパン。


明日は、出る直前(飛行機は12時50分)の朝9時から10時くらいまで、
こちらのボスとディスカッションと、今後のことを話す予定。
そのための準備とかもあるし、さらに日本に着くのが12月1日の朝10時で、
その日の16時からは日本の研究室で、面接練習とか、
ポスターの印刷とかで、相変わらずのギリギリ生活。


さて、それでも、いったんここでフィンランド生活は終わり。


日本からいろいろと協力してくれた、研究室のメンバーや、
ホットリンクさんには本当に申し訳ないのだけれど、
正直言って、思ったよりも全然ふるわない研究滞在だった。


新しい切り口でデータを解析して、理論を構築するというのは、
思っていたよりも難しく、一歩進んで、こけて、体勢立て直して、の繰り返しで
やっと、2か月たった今頃になって、道筋が見えたところでデッドラインが来てしまった。
結局、年明けに再びフィンランドに渡って、続きをすることになった。


防備録的に、このスムーズにいかなかった理由を考えてみる。
一番大きな理由は、そのモチベーションを含め、
走る方向がしっかり定まってなかったことだと思う。


まずはじめの1ヶ月くらいは、やりたいことの候補が3つくらいあって、
楽観的にすべてできるような気がして、どれも中途半端にこなしていた。
例えばtwitterのデータを収集するためのAPIの作成、形態素解析
特に当てもなく、いろいろな時系列を収集しまくってみたり、
今となっては、最終的な持ち帰る結果には全く関係のないことに、
かなりの時間を費やしていたことに気づく。


また、普段からunixはあまり使っていなかったこともあり、
フィンランドで割り当てられたunixマシンを使いこなすまで、
日々、ちょっとしたロスがあり、それも合計すると結構な時間になっている。
それでもunix(特にR)を使いこなすことにより、その後の生産性は
ものすごく向上した感があるので、引き続きunixは使いたいと思う。


次に来る時までにマスターしておきたいことを
結構しょぼいことだけれど、恥ずかしながら忘れないように書いておく。

  1. vimemacsは使いこなすようにしておく。
  2. 英語の語彙を増やすこととリスニング。
  3. 論文を読むスピードを上げる。

(日々、arXivをチェックしては記事をサクサク読んでいる学生、ポスドク。)


最後に、わざわざフィンランドに渡って研究をする意味はあったのか?
ということについて残しておきたいと思う。
私の回答は、「意味があった」。


まず、1にも2にも英語は上達する。話すし、聞くし、書くし。
次に、こちらのボスが、フィンランドにやってくるイタリアやハンガリーの教授陣を
毎回紹介してくれたおかげで、欧州の研究者たちとコネクションができた。
面白い結果が出れば、共同研究してもらえると思う。
また、彼らと話す中で自分たちが持っているデータの強みとか、
物理学者で社会系の人たちが、次に何を目指しているのか、気づくことがたくさんあった。
こちらの若いポスドクや学生と話す中で、自分がどういう研究者になって、
研究、生活をしていきたいのかもさらにクリアになってきた。


もちろん、研究自体も、結果はまだはっきりとは見えないけれど、
今まで自分が気付かなかったようなアプローチで、テーマに取り組めていて、
これは日本にいたら拓けなかったと思うので、十分意味があった。