Separating Internal and External Dynamics of Complex Systems
M. Argollo de Menezes and A.-L. Barabási
Phys. Rev. Lett. 93, 068701 (2004) [4 pages]


前のFluctuations in Network Dynamicsの論文で、
平均と標準偏差の関係が線形になる理由は、外的なゆらぎの寄与の多い系だと、
結論付けされていたことを、同じ実データを使って解析して示した論文。


個々の流量fiは、全体の流量のどのくらいかの単純な総和での割合Aiで示し、
その割合分Aiで、fiを外的揺らぎによる部分と、内的揺らぎによる部分に分ける、
という単純な手法で、2つの部分に分けた時系列の標準偏差の比を取る。
比が1より大きければ、外的な寄与が大きく、小さければ内的寄与が大きい。
比の分布を見ると、内的寄与が大きいと前論文で結論づけた、internet routingとmicrochipは
1より小さいところにピークが来る分布になり、
外的な寄与が大きいWWWとhigh waysは1より大きい所にピークが来る分布になる。
#ストーリーとしては、すっきりきれいだけれど、出来過ぎ感が否めない。


外的な寄与が大きいのは、人が関わる系であり、
内的な寄与で説明できるのは、機械が決まったプロトコルで処理する系だと結論付け。


追記:
Aiは観測期間内Tにネットワーク全体に流れた流量と、ノードiに流れた流量の比で
表現されるが、ブログ上の言葉データと違うのは、流れの重複の有無。
この論文だと、全体の流量は重なりのない、個々のノード上を流れた流量の和だが、
ブログ上の言葉のカウントでは、「単語kを1回でも使ったブログサイト」が1と
カウントされる関係上、重複が起こり、個々の時系列を足し上げると、
書き込み全数の時系列を大きく超えてしまうだろう。
#実際にそこまでデータを収集することはできてないので、確認はしていない。