Disentangling collective trends from local dynamics
Marc Barthélemy, Jean-Pierre Nadal, and Henri Berestycki
PNAS April 27, 2010 vol. 107 no. 17 7629-7634


時系列中の揺らぎを、外的要因によるものと内的要因によるものに分ける方法の提案。
2004年のde Menezes、 Barabási論文に対する反論。
de Menezes論文では、内的揺らぎの平均が0としていたが、それは特殊な事例であって、
実際は0にはならないはずだという。


この論文で仮定するのは、global trend(〜全数揺らぎ)と、
local fluctuation(〜1つ1つの時系列の内的揺らぎ)は、独立で、
それらの共分散は0になること、
および、1つ1つの時系列同士の内的揺らぎも独立で、それらの共分散も0になること。
また、global trendも、平均値周りの揺らぎで定義できることとしている。
1つ1つの時系列の同士の相関と、global trendの時系列から、
実際の時系列を再現することに成功していて、この手法を
External Trend and Internal Component Analysis (ETICA)と言っている。


Random Walkのシミュレーションデータ、アメリカとフランスの犯罪率の推移、
アメリカのBMI値の推移で実データとして確認している。
1970年代半ばから80年代にかけてのアメリカの犯罪率は
揺らぎは大きくなっていて、外的要因が大きく寄与していることが考えられるらしい。


やたら2004年の論文に対しては手厳しくて、incorrect resultだとか、
その時の実データの結果は、特殊なものを使っただろうだとか言っている。
ただ、この論文自体も正直言って、時間平均、ユニット平均がいろいろあるし、
使われる記号もやたら多くて分かりにくい。
もう1度くらいは読まないと、ちゃんと理解出来ない感じ。