Small But Slow World: How Network Topology and Burstiness Slow Down Spreading
M. Karsai, M. Kivelä, R. K. Pan, K. Kaski, J. Kertész, A.-L. Barabási, J. Saramäki
arXiv:1006.2125


フィンランドにいたときに一緒にランチしていたハンガリー人の
ポスドク研究員の論文。
実際のネットワーク上でSI spreading dynamicsを走らせて、
感染するノードの割合を測る。
この時、ネットワーク上の構造の、何がspreadingに大きく寄与しているのかを比較する。

  • B : Bursty dynamics
  • C : Community structure
  • D : Daily pattern
  • E : Event-event correlation
  • W : Weight-topology correlation

扱うネットワークは欧州の携帯電話のネットワークなので、ノードが人、リンクがcallに対応。
callにはタイムスタンプがついているので、リンクには生成された時間の情報が付与されている。

比較するのは、以下の4つの方法でランダマイズしたネットワーク。

  • equal-weight link-sequence shuffled 1回だけcallがあったリンクを取り出し、同じく1回かいだけcallの別リンクと入れ替える。(DCWBが保存される)
  • link sequence shuffled 1回だけcallが合ったリンクを取り出し、全体からランダムに架け替える。(DCBが保存される)
  • time-shuffled リンクに付与されている時間情報をシャッフルする。(DCWが保存される)
  • configuration 1日の周期性だけ(Dが保存される)


結果は、originalのネットワークのspreadingが最も遅い拡散を見せる。
Originalに近いDCWBを保存したネットワークが一番、spreadingを
遅める。
次はDCB、DCWと続く事から、spreadingに寄与しているのは、
WのWeight-topology correlationとBのBursty patternだと考えられる。


リンクをシャッフルする、というのは面白い。
元のネットワークでシミュレーションするだけではなく、
シャッフルの仕方で、ネットワークに対し、
見えている静的な統計性だけではないものが次々と見えてくる。


余談だが、このプログラムは得意のpythonで処理したと思われる。
彼らは充実したネットワークのオリジナルpythonライブラリを
共有しているので、こういう込み入ったシャッフルも、
簡単にできるんだろうなと、想像。