久しぶりに読み返す。
本書によると、統計力学は1738年のBernoulliのkinetic theory of gas(気体分子運動論)に
端を発し、1857年のClausiusが理論を進めた。
Clausiusの理論だと、すべての分子が同じ速度であるという仮定がおかれていた。


これに対し1859年にMaxwellが速度分布の概念を取り入れ(Maxwell-Boltzman分布)、1868年Boltzmanは、Maxwellの理論を、ポテンシャル中の理想気体に拡張した。


一般的な物理学史では、1902年のGibbsの著作によって平衡統計力学が初めて整備されたとされているが、本書によると1884年のBoltzmanの論文によってまとめられている、という人もいるし、Einsteinも1902年から1904年の論文で統計力学の一般論を構築しているとのこと。

ともあれ、統計力学は本格的には20世紀の学問で、今なお進行形。(特に非平衡統計力学

第2章確率論の練習問題にはシャノンエントロピー、大偏差原理、1次元パーコレーションなど盛り込まれており、なかなかやりがいがある。

統計力学〈1〉 (新物理学シリーズ)

統計力学〈1〉 (新物理学シリーズ)