Circadian pattern and burstiness in human communication activity
Hang-Hyun Jo, Márton Karsai, János Kertész, Kimmo Kaski
arXiv:1101.0377 (2010)


1月1日に投稿されていた論文。
携帯電話のCallとSMSのデータを用いて、
1日の周期(circadian pattern)と、1週間の周期(weekly pattern)についての議論。


典型的には1日の周期では、朝から昼にかけて1つの山があり、
次に夕方から深夜にかけて2つ目の大きなピークがやってくる。
1週間の周期は、月曜から金曜は同じ形、休日の土日になると、
1日の周期に存在する2つの山が少しぼやけた形になっている。


で、それらの周期を除去する方法として2つの提案。
1つめはHomogenous rescaling、2つめはActivity dependent rescalingである。
Homogenousの方は、単純にアクティビティの密度が高いところでは、
実際の時間に対してrescaled timeを小さくする形で対応させる方法。
(全数で割る、っていうのと同等)
しかし、それだけでは、まだ周期が取りきれていなくて、アクティビティの密度に
まだムラがあるというので、Activity dependent rescalingを行う。
これは、一人当たり、どれだけイベントがあったかによって、人であるノードを
10のクラスにわけ、その中で、細かく周期の除去を行っていく方法。
クラスの分け方は、全イベント数がそれぞれ10%ずつ分かれるところで、分ける。
例えば、Callのクラス0は、全ノードの約50%を占め、一人当たりのイベント数は25件だが、
クラス0に属するイベント数は、全イベント数の10%という具合。
Activity dependent rescalingによって、Homogenousに比べ、
ほぼ全時間帯において均一にイベントが起きている状況にrescaleすることができる。


しかしながら、それらをしてもなおイベント間の時間間隔(inter-event time distribution)は
heavy tailであるという結論。なので、heavy tailは人間の活動周期に由来するののではなく、
人間活動の不均一性に由来する本質的な相互作用(the intrinsic correlation based inhomogeneity)であろうという結論。


うーん、周期の除去の話だけでこれだけ議論ができるのか、というのが正直な感想。
それって、今まで自分だったら論文の一部でサラッと、やっていただけだったので。
何事も丁寧に仕事するのは大事なことですな。