Correlated genotypes in friendship networks
James H. Fowler, Jaime E. Settle, and Nicholas A. Christakis
PNAS doi: 10.1073/pnas.1011687108 (January 18, 2011)


"Connected"(邦題「つながり」)の本でも有名なハーバード医学部教授のChristakisの論文。
友人関係のネットワークを遺伝子レベルまでさかのぼって、解析しましたよ、という内容。


前から彼らは似た者同士はリンクを張りやすいhomophilyと、
逆の似てないもの同士は、リンクを張りにくいheterophilyに
関しては外からよくわかる性質(年齢、人種などレベル)で解明していたが、
これを遺伝子レベル(SNPs)でも解明している。(但し、限られたサンプルで。)


結果は


が2つのサンプル集合でそれぞれ有意に観測された。
しかし、HomophilyでDRD2ってのは、要は「飲み友だち」ってこと。
お酒飲める人は、お酒飲める人と仲良くなる、そしてお酒を飲めるor飲めないのは、
先天的な遺伝子で決まっているのだから、当たり前では?、と思える。
上記2つの遺伝子型でしか結果を出していないし、
もし、友だちのなりやすさが遺伝子で決まっているとしたら、なんだか気味が悪い。
遺伝子の見えざる意思ですか。。。
だいたい、そういうことを言い出すと、遺伝子が似た人が同じエリアに済んでいるわけで、
なんとでも言えてしまうようにも思える。
突っ込みどころが満載だから、Natureからも懐疑的なコメントが出されているのも納得。


それにしてもこの論文、SNP(Single Nucleotide Polymorphism)で何の略かも分からず
ちょっと混乱して、調べたりもしたけれど、さらにその上、
HLAだの図にはT/T,A/T だの、なんの断りもなしにバンバン使われていて、
それらが一体何を意味しているのかが解説されていないので、
genomicsが専門でないと、なかなか読みにくいかもしれない。

つながり 社会的ネットワークの驚くべき力

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