Limits of Predictability in Human Mobility
C. Song, Z. Qu, N. Blumm, and A.-L. Barabási

Science Vol. 327 no. 5968 pp. 1018-1021 (2010)


携帯電話の記録を元に、人の物理的な距離の動きがどのくらいまで予測できるかを議論した論文。
先日の論文でも紹介されていた、Random entropy, Temporal-uncorrelated entropy, Actual entropyを定義することから始める。
次に、そこから予測性(Predictability)を定義する。計算方法の詳細は本文にある。
驚くことに、個人によってややばらつきがあるが、潜在的には平均93%の高い予測性を示す。
これは、年齢、性別にかかわらず、同等の値をとっているとのこと。
さらに、予測性の他に、毎日どのくらい同じパターンで過ごしているかという、
規則性(Regularity)も定義して、議論を深める。
当然ながら、規則性は平日は仕事(学校)へ行って、自宅で眠る、という高い規則性があるが、
週末にはそれがやや破れるという結果。
ちなみに、統計的には厳密ではないが、女性の方がこの規則性はやや破れている、とのこと。
すなわち、高い予測性の結果の背後には、みんなが日々同じパターンで生活している
規則性が潜んでいるんだよ、という結果。


定性的には、至極当たり前のような結果ではあるが、これを定量的にエントロピー
定義して、腑に落ちる形で表しているところがバラバシらしい印象。
どうやらSupplementも充実しているようなので、見ておきたい。