Switching processes in financial markets
T. Preis, J, J. Schneider, and H. E. Stanley


経済の取引データに微視的なバブル(microbubbles)と巨視的なバブル(macrobubbles)があり、
それがどちらも時間スケールをrenormalizeすることで、同様のベキ関数で記述できるよ、という話。


スイッチするのは、上昇トレンドから下降トレンドへのスイッチ等を指す。
トレンドの開始をε=0として、終わりをε=1、にrenormalizeする。
10日のトレンドも、10秒のトレンドもrenormalizeの効果によって、同等に扱えるようになる。
ミクロな例では、ドイツのDAX Future (GDAXF)という先物?の価格時系列。
マクロな例では、1962年からデータのあるS&P indexの価格時系列。

それがどちらでも取引量においてベキ関数的に変動している。
トレンドと行ってもクリアなピークがあり、その前後でどちらもベキ関数的。
ベキ指数は、GDAXFの場合、前で0.07、0.15という値、S&Pでは前で0.05、0.11という値。
どちらも後の方が大きなベキシ数をとるという点では共通。(ブログと同じ。)
また、取引時間間隔においてもベキ関数的な変動が見られる。
ベキ指数の見積もりは最小自乗では不向きで、詳しい手法はS1 Appendixをチェック。


取引量と価格には相関が見られるが、取引間隔と取引量が直接リンクし合っている訳ではない、ということ。
1個人に置ける取引量、取引時間間隔は劇的に変化している、とのこと。(詳しい解説は本論にはないが。)


結論としては、ベキ指数は時間スケール(1年というトレンドで見るか、10分というトレンドで見るか)には
依存しないで決まることが分かった。
このことから、「スケールフリー」性が主張でき、物理の相転移のアナロジー(特に磁性)で
金融取引についても説明できるのではないか、まだ十分ではないが、という結論。


今書いている論文に似ているので、Discussion部分に引用しなければ。
しかし、switchのスタート地点〜ベキ関数で記述するスタート地点は統計的に
最適な場所、詳細がよくわからないので、もう少し詳しく知りたい感じ。