Finite-time singularities in the dynamics of hyperinflation in an economy
M. A. Szybisz and L. Szybisz
Phys. Rev. E 80, 026116 (2009) [11 pages]


ペルー、ユーゴスラビアギリシャジンバブエのインフレを、
ベキ関数/指数関数で記述した論文。
調査しているのは、対数をとった価格の成長率GR(Growth Rate)r(t)と、対数をとった価格p(t)(実際には、CPI:Cumulated Price Index)。

イントロなどでインフレの背景までも詳しく書かれていて、便利。
インフレを初めて定式化したのは1956年のアメリカの経済学者、Cagan。
次に引用されてるのが、
Mizuno-Takayasu-Takaysu(2003)のThe mechanism of double-exponential growth in hyper-inflationと、
Sornette-Takayasu-Zhou(2003)Finite-time singularity signature of hyperinflationの論文。


基本的には、上記2つの論文の手法を踏襲して、データのフィットを行っている。(新規性だいじょうぶか?)
r(t)に対しては(2.20)式、p(t)に対しては(2.24)式、または(2.25)式か(2.26)式をフィットさせている。
フィッティングパラメーターは発散点t_cとベキ指数(正確にはちょっと違うが)\betaと、それぞれの初期値r(t=0)=r_0p(t=0)=p_0であり、
非線形最小自乗法を用いたとのこと。
図を見る限り、フィッティングはよくできている。
直感的に分かるべき指数は\alpha=\frac{1-\beta}{\beta}という関係で、
ペルーの場合の結果はベキ指数は0.3程度。


よくわからないのが、値の使い方。
何の値の対数をとっているのか/いないのか。
対数をとった上で、さらにベキ関数なら3重指数関数だし。
本文中にもtriple-exponential lawといっているので、3重指数関数の指数が0.3という結果でいいんだろうか。。。