[paper]
Evolution of Scaling Emergence in Large-Scale Spatial Epidemic Spreading
Lin Wang, Xiang Li, Yi-Qing Zhang, Yan Zhang, Kan Zhang
PLoS ONE 6(7): e21197 (2012).


Zipf則とHeaps則を病気の感染拡大に役立てられるかもしれない.
ここでは,WHOやCDCなどから得たデータを元に解析を行う.
国(州)別の感染者数でZipf則を見る.Zipf則の場合,観測時間ごとに形状は変化するたね複数グラフができる.
パンデミックの初期段階だと,ある国に感染者がまとまっていることが多く,概ねZipfだが,
感染が拡大すると,指数のテイルを持つようになる.
総感染者数に占める,国(州)籍数でHeaps則をみる.Hepas則の場合,感染者数の拡大が時間発展に対応.

Zipf指数が変化するところがスケーリングの成長過程,crossoverが終状態前にやってくる.
crossover以降だと,Zipfは成り立たないが,Heapsは依然として成り立つ.
基本的にZipfとHeapsの指数は共存し,指数は同等の扱い(Lu et al.)*1
ただ,国数や終数が有限なのでなかなかきれいなHeapsは見れない.


州のデータを使って,拡大を航空網に重ねたところ良い結果をえた.(新規性)
すなわち,感染拡大の異質性は交通網の異質性による.
この結果から,初期段階での感染拡大の防止に役立つ,という内容.(有用性)

*1:ランクプロットのZipfの指数は,Heaps指数の逆数に等しい.