Reinforced random walk
Gady Kozma
arXiv:1208.0364


いったん通ったパスは,もう一度通る確率が高くなる,というのが
(edge) reinforced random walkである.
いったん通ったパスへの重みの付け方は,1+aで線形につける場合と,1+a^2などで非線形につける場合もある.
線形の場合,グラフが3次元以上だと,aの値で相転移がおきるとのこと.


この線形reinforced random walkはポリアの壷の問題(Polya's urn)とも関連がある.
ポリアさんはユダヤハンガリー人で,丸善で「いかにして問題を解くか」の著者.
ポリアの壷は,赤白2色の玉が入った壷から,1つを取り出し,同色の玉をc個加えて戻す,という試行で,n回目の白の玉が出る確率は?という問題である.直観にはやや反するかもしれないが,これは1回目の試行の時の確率と同じになる.数学的帰納法などで確認できる.


さらにはこのreinforced random walkは,物理の超対称性(supersymmetry) *1などとも関係があり,この話はhyperbolic sigma modelと言われるらしい.
そこに出てくるσは,exp(-βA)の確率分布であたえられるのだが,このβとreinforced random walkのaが等価であるという話に帰着する.σは各粒子のエネルギーみたいなものか?ちょっとよくわからなかった.


この論文はそれらを列挙しながら,最後は「Where now?」でしめる.
どこへ行くかというと,reinforced random walkでaの相転移が起こることが分かった.(a_cがあるはず.)
その先のtransient regime(過渡相)ではどうなるかを理解するのが次のステップとのこと.


よくわからんです.ネットワークは正方格子っぽいし,現実の何を記述するのかがわからんし, 数学の論文は読みにくいです...

*1:出合うと対消滅する反粒子の話ではなく,Fermionの超対称性粒子は未知のスピンが1/2だけずれたBosonなど.まだ発見されていない.