Statistical laws in urban mobility from microscopic GPS data in the area of Florence
Armando Bazzani, Bruno Giorgini, Sandro Rambaldi, Riccardo Gallotti and Luca Giovannini
J. Stat. Mech. (Journal of Statistical Mechanics: Theory and Experiment) (2010) P05001


ECCSにて自分の発表の時,「俺もこの結果持ってるぜー」と言ってきたイタリア人博士課程学生リカルド君らの論文.
果たして彼らの論文が何を言っているかというと,フィレンツェ地区の車の動きをGPSで追跡したデータを用いて,
車のdowntime(車を止めていた時間),移動距離の分布などを測定,全体のdowntimeの分布は,0.97のベキ分布,また1台あたりの1日の活動数は指数分布になる.
非自明な人間社会ならではなのが,1日あたりのdowntimeの分布は双こぶの分布になっていて,多分デイリーに使う人と,職場へ車へ通う人のクラスターがでているのだろう,と.

何が同じ結果なのかというと,Heaps則とFig.7の図.(Dependence of the average downtime from the activities degree.)
場所をノード,車の移動をリンクとしたネットワークを作り,次数(degree)kは1月あたりその場所へ行った回数,とした時に,
kが小さい程,その場所でのdowntime[tex:_k]が短く,kが大きくなると,downtimeが長くなるという結果の図である.
(まあ,一度ちょっと立ち寄っただけの場所と,職場やなじみの友人の宅で過ごす時間はどっちが長いか,っつー話だ.)
どこから出てきたかは謎だけど,そのフィッティングは

[tex:_k \propto \exp(\gamma k^a)]


で,a \simeq 0.3\gamma \simeq 0.7でできますよーと.この数式がHeaps則の曲線と言いたかったようだ.

正直,自分のデータと合わせて,いろいろ解釈に困るのだけれど.(図の読み方も,この謎に満ちた式も.a>1なら大発散だし.)
まあ,何か思いついたら使えるかもしれない.