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新版 論文の教室 ― レポートから卒論まで/戸田山 和久
対象は初学者(大学1年生など)で,卒論以前に,課題でレポートを出された場合にどう,論文というものを組み立てるのか,が詳しく書かれる.
特に面白いのが「作文ダメ夫」くんが,ダメ作文の例示をしながら話が進むところ.
耳が痛いような記述もあり,「の」の連発はだめだとか,引用文献のpp.*1の書き方だとかを鬱陶しいくらいに細かく書いてくれるので,今更感もあるが,スラスラ興味深く読める.
高校までは読書感想文だとか,あっても論述式試験の文章を書くくらいで骨組み考えて,肉付けして,調べてというスパイラル積み上げ式の文章というのはほとんど書かない.頼みの綱の論述式試験の対策も,何が良かったのか悪かったどころか,いまいち書き方も分からないまま,「最後の句点は詰めて書く」程度の知識で書いていて,大学の論文なんてかける訳は無い.
特に参考になったもののメモ.
- 論文の種としてアウトライン(目次とそこで何を述べるかのメモ)を書く
- パラフラフごとに言いたい1文(トピックセンテンス)を書く
- トピックセンテンスの下にサブセンテンスを含めて,200-400字程度
- サブセンテンスには4種類
- トピックセンテンスに対する詳しい説明や具体例
- トピックセンテンスの内容についての根拠づけ
- トピックセンテンスを言い換えたもの
- 前後のパラグラフとのつながりをつける
目次を先に書いて,共著者のディスカッションするのはアウトラインを叩いて,肉付けする意味があるということ.やってはいたが,こうやってすっきり解説されたので安心した.
- 作者: 戸田山和久
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2012/08/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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