Prof. Dirk Helbing's seminar
Date: 15:00-17:00, April 6 (Mon.), 2015
Venue: no. 310, Surugadai Memorial Hall of Chuo University.

Seminar title: Building a Smart Digital Society Together
Seminar abstract:
It probably started with Linux, then came Wikipedia and Open Street Map. Crowd-sourced information systems are central for the Digital Society to thrive. So, what's next? I will introduce a number of concepts such as the Planetary Nervous System, Global Participatory Platform, Interactive Virtual Worlds, User-Controlled Information Filters and Reputation Systems, and the Digital Data Purse. I will also introduce ideas such as the Social Mirror, Intercultural Adapter, the Social Protector and Social Money as tools to create a better world. These can help us to avoid systemic instabilities, market failures, tragedies of the commons, and exploitation, and to create the framework for a Participatory Market Society, where everyone can be better off.

ヘルビング教授 の紹介
ヘルビング教授は、もともとは物理学者で、シュトットガルト大学でハーケンとワイドリッヒよりシナジェティクス物理学を学んだのち、ドレスデン工科大学を経 てスイス連邦工科大学教授に就任、現在は、Computational Social Science講座の教授です。ヘルビング教授は、まず交通工学で成功し、弱冠43歳で ドイツ科学アカデミー会員に任命されたほか、「世界経済フォーラム」における「複雑系にかんするグローバルアジェンダ会議」のメンバーなども務めています。 またソーシャルICTの促進の観点から、EU研究資金獲得プロジェクトFuturICT http://www.futurict.eu を立ち上げ、プロジェクト代表となったことで彼の名声はメディアで高まるところとなりました。 このプロジェクトキャンペーンは現 在、Horizon 2020にエントリーする巨大プロジェクトFutur ICTとして進行中です。
 さらに新著(近刊)
Thinking Ahead 
- Essays on Big Data, Digital Revolution, and Participatory Market Society (英語) ペーパーバック, Springer, 136pp.
http://www.amazon.co.jp/Thinking-Ahead-Digital-Revolution-Participatory/dp/3319150774
では新しい社会 システムデザインに挑戦しています。本書の公刊が楽しみです。

セミナー.Big Dataと新たな情報技術で,犯罪,紛争,経済危機などを解決できないだろうかという問いから始まるセミナー.
Helbing教授は,セミナー前にいきなり聴衆に自己紹介をさせた.全部で15人位参加.水野さんや郡さんも来ていた.
具体的な研究成果というよりは,こんなことをやっているよ,の繰り返し的な.


カオス的に少しの違いが結果に大きく影響したり,偽相関があったりと話はそうそう上手くは行かない.
また,低密度の時には自己組織的に流れができるが,高密度の時には不安定になる.高密度になるとあるときから協力率が下がるとも.
災害時にはトップダウンアプローチより,ボトムアップで,現場同士がコミュニケーションしてトップに戻すようなアプローチが有効.


とはいえ,ただただデータをとるだけでもだめで,たとえばCERNでは99.9%のデータはすぐ消し去られている.必要なデータを効率よく活用することが大切と解く.またスマホを使ったpersonal dataも自主的に提出してもらってリアルタイムでシェアして処理する仕組みがあれば,自動的に切り替わる交通信号だとか,病気の予防など役立つことはたくさんある.この話は2015年5月のクーリエジャポンでも紹介されていた.


プライバシー問題を怖がって二の足踏んでいる間にも,わらにもすがりたい思いで自分のパーソナルデータを差し出してでも病気を直したい,不便と直したいと思っている人は多い.私もそうするだろう.そういう人の役に立つ研究であるべき.