Contextual analysis framework for bursty dynamics
Hang-Hyun Jo, Raj Kumar Pan, Juan I. Perotti, and Kimmo Kaski
Phys. Rev. E 87, 062131 (2013)


自然界,人間の行動でよく見られるburstについて,ただ単にイベントが起きた,起きないだけでは深く理解できない.イベントには,文脈(context)があるはずだ,ということでイベントをさらに,個別のイベント(A,B,C等)に分解して,その上で,さらにinter event timeを,実時間とorder単位でみる,という話.元の文脈不依存のバーストをcollective burstと呼び,実時間でのinter event timeのべき分布のべき指数をα,文脈依存のorder単位のinter event timeをβとして,文脈依存の実時間のinter event timeのべき指数をα'としたとき,それぞれの指数の関係を解析解+シミュレーションで確認している.

  • α<2 && β<2 : α'=(α-1)(β-1) + 1
  • α>2 && β<α : α'=β : 実時間のcontextual burstは,order単位のcontextual burstが支配的.
  • β>2 && α<β : α'=α : 実時間のcontextual burstは,実時間のcollective burstが支配的.


本文中にも書いているけれど,ただし,データ数が限られている場合はデータにカットオフがあったりする場合も考慮されている.さらには自明な季節成分を密度で除算した場合には,一般にburstの性質を弱めることを解析的にも示している.


このcontextual burstというコンセプトは面白いし,実社会現象でも言えることなので,自然と受け入れられる.ただ,実データはどのくらいの指数なのか等がなくて残念.
モデルの解析は,canonical partition function for mass transport modelなんかを持ち出して,統計物理の先行研究と絡めながらやっているのが難しいけれど,読み応えがあって面白く,べき指数の相図(Fig.2)は見応えがある.