Scaling of Fluctuations in Traffic on Complex Networks

Jordi Duch and Alex Arenas
Phys. Rev. Lett. 96, 218702 (2006) [4 pages]

先のRD model論文でたくさん引用されていた論文。
RD modelもこの論文の構想が元になっていると考えられる。


主にインターネットトラフィックの平均と揺らぎを考えたときに、
バラバシらの論文では、平均と標準偏差の関係がベキ指数αが1か0.5の
universality classがあるとされていたが、彼らのモデルを使うと、その中間領域も出てきて、
実際に彼らと同じデータ(Abilene backbone network)を使って、再解析して、α=0.71やα=0.87が
出てきたじゃないかと、いう。(バラバシらの論文では、α=0.5と結論づけられていたので、それはdoubtだと言っていて面白い。)


どういうモデルと使っているかというと、ネットワーク上をtravelingするrandom walker(=packet)。
これはRD modelのコンセプトと同じ。
異なるのは、各ノードで、packetを処理する時間(service rate)が付加されるため、
入ってくるpacketよりも処理されるpacketが少ないとあっという間に凝集(congested)して、
流れが悪くなって、ゆらぎも大きくなる、という部分。
あとは、観測時間の長さ、システム全体のpacketの数によっても揺らぎは大きくなる、
という部分はRD modelと同じ。
ただ、解析的には全然解いていなくて、すべてqueueing algorithmを作った
シミュレーションで議論しているので、なんとなく、すっきりしない印象。


ところで、ふと思ったんだけど、ベキ指数αが1以上の場合は存在するのだろうか??
この論文でも、RD model論文でも
実データの結果、解析解、シミュレーションどれからもそんな結果はでてきてないし、
自分もえてないのだけれど、気になった。
でも、これが1より大きいってことは、そもそも標準偏差の意味をなしてなさそうだ。