Ubiquity of log-normal distributions in intra-cellular reaction dynamics
Chikara Furusawa, Takao Suzuki, Akiko Kashiwagi, Tetsuya Yomo, Kunihiko Kaneko
BIOPHYSICS 1(0), 25-31, 2005


Talyor's scaling law関連で、細胞内の化学物質の量の分布が、
対数正規分布になっていて、その平均値と標準偏差の関係が線形になるよ、という論文。
再帰的に成長(recursive grow)している細胞に関しての話。
モデルは化学反応なので、2つの化学物質の反応比がは一定であり、
multiplicative processで反応する事を考えると、対数正規分布は理解でき、線形な関係も理解できるとしている。

This can be understood by considering the steady growth and cascade structure of the catalytic reactions.

他にも、外の状況(external condition)が変わる事を考えても、線形な関係が出てくるとしている。これはシミュレーションで確かめている。


メモとしてはFig.1と2はモデルシミュレーションの結果であり、
Fig.3と4は実際の細胞で実験、観測した結果の図。
なぜか平均値と標準偏差の図は、実験結果がなくて残念。
ただ、この図に関しては先行研究があるらしく、続いて読んでおく必要がある。
先行研究では、リニアになる場合*1と、ポアソン的に平方根倍になる場合*2と、
両方が指摘されているらしいが。


ところで、対数正規分布の平均と標準偏差の関係は、正規分布と同様、
分布を決めるパラメータが平均と標準偏差なので、対数正規だからといって
自明に平均と標準偏差の関係が線形になる訳ではない。(念のため)

*1:"Tracking Operator State Fluctuations in Gene Expression in Single Cells", B. Banerjee et al., Biophysical Journal 86(5) 3052 (2004) のFig.4のinsetで、リニアの直線の傾きは0.61と0.52。

*2:"Regulation of noise in the expression of a single gene", E. M. Ozbudak et al., Nature Genetics 31 69 (2002) のFig.1b,cあたり