Quantitative law describing market dynamics before and after interest-rate change
A. M. Petersen, F. Wang, S. Havlin, and H. E. Stanley
Phys. Rev. E 81, 066121 (2010)


アメリカではFederal Open Market Committee (FOMC) meetingが
定期的(年8回らしい)に開催され、それによって、政策金利が決定される。
そこで出される声明(〜ニュース)の前後で、マーケットがどう反応するかを実データから調べた論文。


基本的にニュースの前後でS&P100などの株の取引量、ボラティリティ
ベキ関数的に推移する、すなわち大森の法則に従うと言う結論。
特にこれまで、ニュース「後」を調べた論文はあるが、「前」でもベキ関数を観測して、べき指数を述べたところは、この論文の新規性の1つらしい。
前後では、べき指数はニュース後の方が大きい。(ブログとも同じ)
式2で定義したニュースのインパクトのようなもの(speculation metric)と
ベキ関数のパラメータ(べき指数、切片)には、ニュース前の場合は相関がみられたが、
ニュース後では相関は観測できなかった。
またgood newsとbad newsではbad newsの方が、マーケットへのインパクトは大きい。


ちなみに、べき指数は、S&P10のボラティリティの場合、
ニュース前0.10、ニュース後0.24となる。(図7(a,b))
そんな感じで、全体的にべき指数はとても小さく、
本当にベキ関数かと疑問に思うも、典型的なフィッティングした図が1つもない。。。
#私が読んだのはarXivバージョンなので、PRE上では修正されている可能性はあるが。


ちなみに式2が、結構大きなキモになるのだが、その中にニュースの重みは
ニュース当日になるまで指数関数で増える、という仮定が入っている。
それが、論文中に定義される「ボラティリティ」の計算まで、影響していて、
もっと、シンプルにやってくれたらいいのに、と思った。