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道化師の蝶/円城塔
今年度の芥川賞受賞作であり,作者が東大金子研出身の方.
文藝春秋を買って読んだので,選考会の書評,石川慎太郎,山田詠美なども興味深かった.
読んだ率直な感想は「よくわからない」.
見えないものを,なんとか捉えようとしているところは,「力学系マップ」みたいなイメージ.
(どちらも,私自身がよくわかってないのだけれど,そういう点での評価.)
石原さんや山田さんが,あまり好意的な印象ではなかったのも納得.
反面,好意的だったのが,川上弘美(御茶大の生物出身)と小川洋子(「博士の愛した数式」の作者)で,
彼女らの作風からも,円城作品に票を投じるのは納得できる.
文藝春秋には受賞者のインタビューも載っていて,作者が取り組んでいたのが「絶対言語」のようなものというところで,作風ともマッチして納得した.
「虐殺器官」で虐殺の文法を描こうとした,伊藤計劃の未完の作品を引き継ぐのも納得.
そういう感じで調べると,彼の英語の論文らしき「The articulation process(発話プロセス)」を扱ったものもあったが,これはさらに,難しそうなので止めておいた.
- 作者: 円城塔
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/01/27
- メディア: 単行本
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- 作者: 伊藤計劃
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/02/10
- メディア: 文庫
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