スモールワールド・ネットワーク―世界を知るための新科学的思考法/Duncan J. Watts (原著), 辻 竜平 (翻訳), 友知 政樹 (翻訳)


2004年に出版されている本を久々読み直した.
大学院を「ネットワークの違いがダイナミクスに与える影響」で修士論文を書いて卒業したのが2003年3月だから,バラバシの本と同じく,あと1年速く出版しておいておくれよ,と思いながら,働きながら読んだのが2005年くらいか.
当時の書き込み,線があってそれはそれで読み直しも面白い.


当時と違うのは,今は曲がりなりにも同じ研究者の目線として読めるのが面白い.
ワッツの共同研究者のストロガッツ,ニューマンの話.ニューマンに関してはワッツは「武器」として表現している.
ライバルのバラバシデータを不用意に渡したことを後悔している点,節々.彼らのモデルはすでに知られているモデルの改良版だと容赦なく批判していたりと.
さらに,翻訳者の二人は社会学者なので,数学からやってきたニューマンの社会学に対する認識に訳注で「この事実認識には賛同しかねる」とかチョイチョイ批判を入れている.


なんというか,学際横断(interdisciplinary)な研究は難しいよねえ,と思う.自分のことでもあるけど.


ちなみに社会学者のネットワークで有名なハリソン・ホワイトさんももとは物理出身らしい.
Harrison White


アマゾンのレビュー見たら翻訳者への批判がすごい.確かに原著にあるはずの参考文献が抜けてるわ.速攻で原著の手配した.

スモールワールド・ネットワーク―世界を知るための新科学的思考法

スモールワールド・ネットワーク―世界を知るための新科学的思考法

  • 作者: ダンカンワッツ,Duncan J. Watts,辻竜平,友知政樹
  • 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
  • 発売日: 2004/10/01
  • メディア: 単行本
  • 購入: 2人 クリック: 73回
  • この商品を含むブログ (82件) を見る