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Vox Populi
Sir Francis Galton
Nature 75, pp. 450-451 (1907)
よく引用される,ゴルトンの集合知の論文.平均値なのか,中央値なのか.
ちなみに,タイトルの意味は,(しばしば the vox populi) 人民の声,世論.[ラテン語 ‘people's voice' の意]ということらしい.
Surowieckiの本には平均値,Fisherの本には中央値と書かれていたが,どちらも訳本だ.ということで自分で確認.
787人の投票の“middlemost”らしいので中央値だった.
ただしSurowieckiの本にも詳しいが,ゴルトンは優生学[eugenics]*1という言葉を始めて使ったことからも分かるように,
大衆は愚民だと思っている節があり,その確認に本研究をしようとしたという背景も書かれているのが興味深い.
果たして結果はその逆で,皆の中央値が1207lb(ポンド)なのに対して,正解が1198lbなので0.8%の違いしかないという,民主主義を後押しするような結果が出たのであった.
This result is, I think, more creditable to the trust worthiness of a democratic judgement than might have been expected.
ただし,中央値の部分で急速に正規分布のカーブに近くなるが,裾野の方ではずれが大きくなるという結果も同時に出ており,何となく,いつの世にも,どこにも,極端にずれがちな人というのは多いのだなというのも予感させている.
この結果の場合は中央値の上下で打ち消し合っているからよいのだけれど,そうでない実社会の場合って,確かに難しい問題だよなと考えてしまった.
とりあえず,よく目にする念願の論文が読めてよかった.
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