Lean in/Sheryl Sandberg

Kindleにて初めて読破した洋書.不明な英語をぱっと検索できるので,読み遂げられた.
でも,左下に読み終わるまでの時間「7時間10分」などと表示されるのだが,読めば読むほど,読み終えるまでにかかる時間が延びて,ちょっと鬱になった.そんなに平均よりも読むの遅いですか.
しかも,謝辞&引用文献が充実しているので,実は67%読んで,残り読み終わるまでにかかる時間が5時間余りの時点で本文は読み終わったという,あっけなさだった.
結局,1週間ほどの通勤時間の往復をかけて10時間くらいかかった.


内容は,事前にTED Talkの内容,Why we have too few women leadersを観ていればそんなに真新しいものはないので,このTalkだけで十分かも.
特に善人に関しては,実名や所属,具体的なエピソードがこれでもかというくらい,ガンガン登場する.

また,謝辞や本文にも大学の先生が上がるように,具体的な社会科学の実験の引用も多い.
例えば,「Haward(男)/Hidi(女)」by コロンビア大での2002年の実験.全く同じことをやっていても,Hawardは皆友達になりたがるのに対して,Hidiはちょっと嫌な感じをもたれてしまう等.差は性別だけなんですが.
謝辞の引用にスタンフォードPh.D candinateの名前として多分日本人とおぼしき,Mana Nakagawaさんがいたのに少しビックリ.誰だろ.

女性ならではだなー,と思ったのは,子供がやるみたいに,嫌なことがあったらワーっと泣いて,そしてすぐにケロッと戻ればいいというのはなるほどと思った.
また,女の子はTiara(メンターや勲章)を待つ傾向があって,黙って,いい子に頑張っていれば白馬にのった王子様がやってきてTiaraをさずけてくれるという夢物語を持ちがちだと指摘.これってDisney映画のせいもあるよなー.
自分でTiaraはとりに行けよ,って私はツッコミたくなる.だから私はジブリ映画は好き.
しかも,キャリアはladder(梯子)のように唯一のupする道があるのではく,junble gym(ジャングルジム)みたいに平行移動したり,いろんな道を辿りながらupしていくものだと.だから「who wears a tiara on a jungle gym?」


ただ,私が読みながらなんとなく,居心地が悪いのは,大前提として「女性は優秀だ」「女性は勤勉だ」というのが見え隠れしているからかもしれない.現実問題としては,男性にばらつきがあるように,女性にもばらつきがあって,私が解けない問題も,年下の男子学生は解けたりするわけで.
もちろん,優秀で勤勉な女性が,その社会的圧力のせいで後方へ追いやられている現実もある.
だけど,私はそんなに優秀じゃないし,(優秀だったらとっくに東大入ってます)なんかいろいろ苦労してやっと,仕事している現状.
学生のレポートを採点していても,女子学生も男子学生も同じくらい,いい加減なやつはいい加減なレポートだしてくるし,逆もまたしかり.でも,彼女の著作の中に出てくる女性は,大前提として,優秀で勤勉な女性.女性の足を引っ張る女性もでてくるが.

日本語のAmazonのレビューをみても,気持ち悪いくらい好意的な意見が多い.わざわざ読むくらいなので,その時点で意識が高い
ので当然の結果とも言える.
幸運にも私自身が,性別のせいでフェアに評価されない,という経験がないからかもしれないけれど,なんか素直に受け入れられないんだよなー.結婚,出産を経たらアンフェアをもっと経験して,考えがかわるかも.


いや,マジ性別とか関係ないっしょ.
Disney映画は,性差を無意識に助長しているから,本能的に避けてきたんだなと思った.私がダッフィーを嫌う理由も分かった.
Disney landって,人を喜ばせて,持ち上げて,その対価として,お金を払うところ.私は,そんなものに踊らされるのは嫌だ.

Lean In: Women, Work, and the Will to Lead

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