Day0 - Sep. 11
Welcome drinkとregistration.
Y. Iwasaさんとお話する.東工大の中丸さんという方は,彼の弟子らしい.九大なので御手洗さんのことも知っていた.経済物理には興味を持ってもらえた模様.
夜,大西さん,石井先生と構内のレストランでディナー.


key;keynote speaker in;invited speaker
Day1 - Sep. 12
1. M. Gell-Mann (key)ノーベル物理学賞受賞者.q-statistics
2. P. Schuster (key) Squence, Structure, Function M. Kimuraの中立仮説.Dawinの淘汰だけではなく,Luckyでも生き残る可能性がある.
3. A.-L. Barabasi(in) Control Network (Nature, 2010)の話
4. R. Lamboitte(in) Online gameの世界の解析(PNAS, 2011). Reciprocityが,Positieveの場合は0.8,Negativeの場合は0.3でPositive interactionの方が相関が強い.
5. D. Farmer(in) Cost vs Cumulative Productionがベキで減ることをWright's lawと言うらしい.これにRandom Process Modelというのを適用.
6. M. Moussad 認知心理学と物理学の境界の話(PNAS, 2011).人間の心理状態を関数で表そうと試みている.The Social Force model. 実際に人間を歩かせて実験をしている点が強い.本人は若そう.パラメータとしていてるのはwalking directionとspeedだが,これは唯一のパラメータτに落とし込むことができるらしい.空想で関数を作るだけではなく,実際に実験してすれ違う時のスピードや方向など測定していることから,根拠がある.かなり面白い話だと思う.モデルを作るのにも,こういう人間を使っている実験は強いと思う,実際にポスターには10くらいはシールが張ってあった.
7. G. Petri ロンドンの3200カ所以上のセンサーデータから,車のflowとoccupancyを見ている,時間相関が1/fゆらぎになっているらしい.
8. M. Popovic 港を行き来する船のネットワーク.
9. S. Rambaldi イタリアの車のGPSデータ,1日の周期や1週間の周期がはっきり現れる.Trip length distributionは指数分布になる.Travel time等も見ている.

朝,偶然近くに座った大阪市大のMonnaiさんというポスドク(?)の方に誘われ,ちなみに彼は早稲田大の田崎先生の一番弟子で,「時間の矢」に興味あるあるとのこと,賢そう.夜,FutureICTというECプロジェクトの集まりにいく@ウィーン大学
60人くらいは集まっていて,その場でグループワークでComplexSystemの知識を生かして,
新しい製品を市場に広げるにはどうすればいいのか,というディスカッションをした.のち,かるく飲み.それが何の製品なのか,どのに広げるのかを明確にしないと議論できないという,一部は話をしていて,さすが(頭の固い)物理学者は,まだまだ実世界への応用はキツいなあぁと思った.間に立つ人がいれば,お互いいい効果が生まれるだろう.ちなみにopening は大盛況.全体で600人の参加らしいが,会場に入りきらないほどの人.


Day2 - Sep. 13
1. Y. Iwasa (key) 森林の進化のモデル.育ちすぎると子供に日が当たらないとか,そういうLotka-Voltera的なゲームがあるらしい.
2. C. Tsallis (key) q-statistics.自分でもこの統計の汎用性にビックリ,みたいな.例えば,Tsallisエントロピーを使い,癌をさがすとかそういう応用もあるらしい.
3. H. E. Stanley (in) 二部グラフの話(Nature(464), 2010).イントロで日本の大災害を話していたけれど,あんまり関係ないやん,,,と思った.
4. S. Dedeo (in) タグをつけた猿のinteraction=ケンカをみた.Conflict(衝突).
5. A. Rbledo (in?) Chaos -Attractor? あまり聞いてなかった.
6. P. Panzzara 大学のフォーラムで学生たちがメッセージをやりとりし,なにがしか活動する様子からburstやlong-range correlation = pink noiseを捉えた
モデルにはZero-crossing model(Gotz, 2009)にさらにpreferential choosingを加えている.
しかし,前から思っているが,Zero-crossingモデルは,数学的にはいいかもしれないが,ランダムウォーカーが何を表すのかが分からなくて気持ち悪い.
7. J. Holyst "Cyber emotion"のプロジェクト.言語学者含む科学者が集まっているらしい.(www.cyberemotions.com)ネットの中のPositive,Negativeな感情を定義し,.e={-1,0,+1}でその変化を見ると,emotional clusterができるらしい.扱っているのはBBC Forum,Digg,Blogs06というデータ.特に感情の続きやすさはPoisitiveの方がはっきりと出るとのこと@BBCデータ.中立の感情も定義しているので,そちらを使ったらどうなるのかとか,ちょっと気になった.cyber emotionは1980年のRussell circmplex emotion model (?)から取って言うらしい.面白そうなので今後も注目したい研究.会場から,また立ち話で他の研究者からもPositive/Negativeの定義が時として違うので難しいのでは,という話が出ていた.これは,私の研究でも十分に突っ込まれる部分なので,理論武装しておきたい.
8. S. Itaya NECで研究をしている板谷さん.自分たちにタグをつけ,監視しまくって,メイルと実際のFace to faceコンタクトでのhuman behaviorを見る.
Response intervalはmailでもf2fでも,40-60分あたりで2つの指数に分かれるベキ分布(?)になる.
英語がうまいなあと思ったら,旦那さんがドイツ人とのこと.
9. T. Mizuno 企業ネットワークの話Consumer linkとSupplier linではDegree distributionの累積のベキ指数が1.0と1.45で違うらしい.ちなみに東日本大震災では206企業が倒産,1637のcounter partnerがいたらしく,damageは4.3trillion yenとのこと.

このあと,先生からも本の締め切りを明示するよう連絡あり,いったん帰宅してホテルで原稿を書く.
1時間半後に戻って19時過ぎに集合して,みんなでconference dinnerへ行く.
ポーランドPh.Dの学生,日本のMonnaiさん,ポルトガル人の研究者夫婦,とくに女性の方が
twitterなどの研究をしているらしく,その後最終日のポスターにも来てくれた.


Day3 - Sep. 14 Satellinte; Complex dynamics of human interaction
1. A. Vespignani (in) staticなネットワークの上にmobilityがあるdynamicなネットワーク,さらにその上にepidemic layerがある.
病気の伝染を理解するには,こういう階層的な理解が必要だが,実際には,フィードバックもかかり続けるので難しいとのこと.
2. G. Miritello ネットワークのリンクの重みについて.主にシミュレーションの結果.
リンクのヘテロ性が拡散を遅くする.また,staticなハブとdynamicなハブは必ずしも一致しない.
Transimissibility (by Newman)という概念を知る.送りやすさみたいなもの?
3. K.-I. Goh Barabasiのグループで論文を次々書いているっぽい韓国人.
人間のburstが伝染の拡散を遅くしている,というシミュレーションの話.
ネットワークをランダムやツリー上に変えても同じ結果を得ている.
4. M. Kivela Burstinessを確かめるためのインデックスB(EPL81, 48002, 2008) by Barabasiらを教えてもらう.

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(以下2件はeconophysics colloquimにて拝聴.)
5. L. Mangna entity(外資起業家,financial institutionかなど)に基づくtraderのクラスターで二部グラフ.
6. H. Aoyama 転職までも考慮に入れた労働生産性,負の温度;労働生産性?プレゼンが堂々としていてかっこいい.

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7. H.-H. Jo FinlandのKaski研の新しいポスドクの人,いい人そう.Triangle Chain Interactionを考えて,interactionの起こりやすさについて.PLoS ONEに論文あるらしい.
8. A. Barrat (in) 病院,小学校,国際会議と美術館での人の動き,センサーデータ.conferenceとmuseumではだいぶ人の関わりが違うから,どう分けるかは難しそう.
9. A. Friggeri ビジネスマンが自分たちのサービスFellowというのを紹介.プレゼンだけはやたら手慣れている.プロ?
10. Y. Sano 自分,すごく緊張したが内容が伝わっていたのでよかった.
11. B. Granoviskiy 1 vs 100というアメリカのテレビ番組の話でWisdom of crowdsを扱っている.
12. J. Kertez Wikipediaで書いたり,書き直されたりというconflictを観測.トピックによって当然ばらつきがある.arXivに論文あり.
13. G. Bianconi 携帯電話のネットワークを使い,エントロピーを見る.β=1 F2Fとすると.β=0.45 mobileらしい.
14. O. Richters Transitivity(transitionの起こりやすさみたいなの?)というのを定義して,信用度が劇的に変わる現象を"Trust percolation"としているが,ちょっとまだ眉唾.PLoS ONEに論文あるらしい.
15. D. Moulay Chikungunyaとうのはインドの島の中で起こる熱病みたいなので,人と蚊のmobilityを考えないと伝染の理解が難しい,という話.
16. A. Ishii 間接コミュニケーションの話.
17. A. Nowak 心理学者.Chat-Mobile-F2FでコミュニケーションのQualityやSatisfactionには代わりはないらしい.少数サンプルなので微妙ではある.
18. V. M. Eguíluz 古典的なvoter modelから始まって,inter ivent timeがheavy tailになるよという,勉強になりそうなお話.

日立の矢野さん,板谷さん,石井先生と大学内のレストランで食事して,その後ECCSのPanel discussionに参加.
複雑サイエンスの研究は必要か,どうなるのか,という議論だが,パネラー一人一人が話しすぎて長い.
会場からの質問は,若手の育成とかはどうなっているのかに対しても無難な回答しかせず,
質問者は途中で帰ってしまうという自体,途中からEUの予算動向の話になったので,途中で退散.


Day4 - Sep. 15 Satellite; Econophysics colloquium
EconophysicsはどうもFinanceとかマクロ経済の指標とか,本当に「経済」の話になっていて,
どうも居心地が悪くなってきている.また聴衆の年齢もやや高め.
1. G. Caldelli 国ごとのGDPとProduct?
2. L. Pietronero 横軸にProductの種類,縦軸にCountryを取った行列Mcpを作る話.(PNAS 2009)
製品は95カテゴリーでの結果で,輸出している製品の数をProductとしている.
これも二部グラフに対応する話になっている.行列McpからFitnessというのを計算することで,
発表されているGDPとは異なる結果を得られ,国本来のGDPがこれに反映されているのでは,とも.

Econophysicsでも豪華メンバーでパネルディスカッションがあったが,経済の論文誌にはまだ,我々の結果は載りにくい,とかそういう話.あまり建設的ではない印象.全体的にEconophysicsは老けたなぁ,という印象ばかりが残る.若手バリバリの人はXNetとかに行っていたようだ.
この日は,昼から途中で抜けて大西さん,日立の渡辺さん,石井先生とボルツマンのお墓参りへ行った.
S=k.logwの式が墓標に刻まれている.
夕方は,石井先生とウィーン中心部のレストランでゆったりご飯.


Day5 - Sep. 16
1. P. Holme temporal networkとはリンクの有無が時々刻々変わるネットワークのこと.
PNAS 107(5706) 2011が主な内容.
2. N. Suzuki 日大の鈴木先生.すごく英語がうまかったで正直驚いた.自信のinter event time もPoissonではない.ということでhuman behaviorとにている.だとすると,いったい何がhumanらしさなのだろうか,とか考えてしまった.

自分のポスター発表もあってあまり落ち着かなかったが,ポスターはシールは6ゲット,
用意していたハンドアウト10部もなくなっていたので,まずまず.
Conference dinnerで同席していた方々が来てくれてよかった.
やっぱりinteractionは見たいよね,とコメント多し.
またSatelliteでの発表を見てくれた人も2人くらいきてくれて,good presentationだったよと,
いって,質問してくれた.
最後にHolystさんも来てくれて,とりいそぎプレプリを渡した.
同日,PREから査読結果が帰ってきた.結構重い内容なので,とにかく対応するしかない.
長い時間をかけてかけすぎたので,ちょっと論文の目的やら,いろいろ分かりにくい.
また,やっりベキが出るだけでは物足りなくて,もう一歩突っ込んだ面白さを伝えられるような
研究,論文を書きたいと思う.

会議の後はウィーン大学へも一度行って,ドップラー,シュレディンガー,ボルツマンの胸像を見る.
ホテルの近くのオープンエアーのレストランで一人食事をしていると,
相席にカナダ人の老婦人が来て,ゆったりお話しながらいい時間を過ごす.
その後,バス停に移動すると今度はクウェート銀行の研究員の人と会い,なぜか今回の会議や
経済物理の説明をし,conferenceのパンフレットまで渡す.
いろいろと充実したウィーン滞在であった.


全体を通して印象に残ったのは,ネットワークの話が多い,ということ.
ネットワークでも,特に最近のトレンドは2部グラフっぽい.でもそうすると,
ノードやリンクの定義がますます難しくなるし,では3部グラフとかn部グラフの話になりそうで,ちょっと踏み込めない.
他にhuman burst+networkの話も,くるべくしてきた感じ.
前半で,cyber spaceの話の中にどちらもPositiveな感情がつながりが強い,という主張があり,
なんとかそれを自分のデータでも確認できないか,とか思った.
盛んに研究されているのは以下の模様.

  • 2部グラフ
  • dynamic network (burst + network)